pHをリアルタイムモニタリングできる材料の合成と評価



 昨今悪化する水質汚染に対応するために、河川の長期連続的なpHモニタリングが必要とされている。現在、pHの測定方法にはpH指示薬を用いる比色分析法とpHメーターを用いる電気化学法が普及している。しかし、前者は作業員がその都度測定溶液を採取し、目で判断しなければならない。後者は測定部に精密な機械を使用するため、頻繁なメンテナンスや交換が必要となり高コストである。これらの理由により、既存の方法は河川の長期連続的なpHモニタリングに適していない。

我々は、pHの変化を色調変化に変換するpH指示モノマーと電気的中性モノマーを共重合して色調変化型高分子ゲルを作製した。この高分子ゲルは、測定溶液中へ指示薬が漏れ出すことがないので溶液を汚すことなく、継続的且つ繰り返し使用できるため、河川の長期連続的なpHモニタリングに適している。更に、イオン性モノマーを高分子の組成に加えることで、水中の水素イオンを高分子鎖近傍で濃縮させたり希釈させたりすることができる。現在、この高分子ゲルの実用化に向けた開発を行っている。



研究概要ポスター「環境保全型高精度pH測定法」



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